自分の歯茎に人口の歯根を入れるインプラント治療は大掛かりな手術を必要とする歯科治療。
インプラント手術には、「1回法」と「2回法」の二つの手術方式があるのをご存知でしょうか?
今回はインプラント手術の方式や、1回法と2回法それぞれの違いなどについてご紹介していきます。
インプラント手術の「1回法」と「2回法」とは インプラント手術の方式には、人工歯根を埋め込むために歯肉を切開する手術を1回で済ます「1回法」と、2回に分けて行う「2回法」があります。
それぞれの手術の手順は、次のとおりです。
●1回法
1回法では被歯肉を切り開いて顎の骨にドリルで人工歯根を埋め込むスペースを開けてから、アバットメントの一部を露出させて埋め込みます。
その後、顎の骨とインプラントが結合したら、アバットメントに被せものを装着して完成させます。
●2回法
2回法では最初の手術でインプラントを顎の骨に埋め込み、一度歯肉をかぶせて縫合します。
その後、インプラントと骨がしっかりと結合したら再度歯肉を切り開いてインプラントにアバットメントを連結させ、被せものを装着して完成させます。
「1回法」と「2回法」のメリットとデメリット それぞれの手術法のメリットとしては、以下のような点が挙げられます。
1回法のメリット・デメリット
●1度しか歯肉の切開をしないので、患者のダメージや負担が少ない
●手術時間や治療期間が比較的短く済む
●適用できる症例が限られる
●骨移植や骨再生を同時に行う場合、感染症の発症リスクが高い
2回法のメリット・デメリット
●手術回数が多いため、患者のダメージや負担が大きい
●多くの症例で適用できる
●インプラントと骨を癒着する期間が長く、感染症の発症リスクが低い
体への負担が少なく、早く治療が終わる1回法の方が良いのではと思われる方が多いかもしれませんが、そう単純に考えることはできません。
1回法は適用できる症例で早期治療を果たしたい人には向いているのですが、治療期間が短い分、トラブルも起きやすいのです。
2回法の方がインプラント本体をしっかり粘膜の下に荷重をかけずに埋め込んでおくことで骨としっかり結合させることができるので、安全性も高く、インプラントを再度入れ直さなくてはいけないなどの失敗も起きにくいと言われています。
最近では技術の進歩により、2回法の治療期間も短縮されてきており、多くの口腔外科では2回法のインプラント手術をオススメしているようです。
どちらの方式になるかは症例によるので、医師の判断を仰ぐことになります。