インプラントは違和感なく生活を送ることができる人気の治療法ですが、天然の歯と同じように日頃のケアが大切です。
ケアを怠るとインプラント周囲粘膜炎などの病気になることもあります。
インプラント治療後も健康な口腔内環境を保つために大切な日頃のケアの方法や、ケアを怠ったときにかかるかもしれない病気についてご紹介します。
インプラント治療後も長期的なケアが大切
インプラントは入れ歯などの義歯と異なり、自分の歯に近い感覚で利用できるため、年齢を問わず健康な食生活を保つことができます。
しかも入れ歯などに比べて他の歯への影響が少ないので、近年利用する方が増えている治療法です。
しかし人工歯になったからと言って、インプラントを埋めている顎の骨や歯茎に関わる問題は変わらないので、日ごろのケアが大切です。
歯茎のケアを怠ってしまうと、インプラントが抜け落ちてしまうことがあります。
日頃から行えるインプラントの歯周ケア
人工のインプラントは歯周ポケットが深く、歯周病にかかりやすい状態なので、放っておくとインプラントがぐらついたり、抜けてしまうこともあります。
そのため日頃のデンタルケアが大切です。
まず歯磨きは横磨きだけでなく縦磨きを組み合わせて、歯周ポケットのケアを重点的に行いましょう。
歯磨きだけでは利き手によって細かい箇所を磨けないこともあるため、歯間のケアにはデンタルフロスが活躍します。
週に2,3度歯間の掃除をすれば、8割程度のプラーク(歯垢)を除去できます。
ケアを怠ると「インプラント周囲粘膜炎」になる可能性も?
インプラント周囲粘膜炎とは、インプラントの周りの歯茎が炎症を起こしてしまう症状です。
同じような症状は、天然歯の場合には歯肉炎と呼ばれます。
炎症がひどくなると、顎の骨に埋め込んだインプラント本体が露出してしまうこともあります。
さらに炎症が骨まで達してしまうと、骨髄炎と同様の状態になってしまうこともあるのです。
インプラントは天然歯に比べて歯周ポケットが深いため、通常の歯茎よりも進行が早くなってしまいます。
そのためインプラントに替えても、日頃の歯周ケアが欠かせません。
インプラントだって歯科健診によるケアが大切
自宅で行う歯磨きやフロスを使ったデンタルケアでも、8割程度のプラークは取り除くことができます。
ですが歯周病のリスクが高いインプラントの場合、プロの手によるメンテナンスが大切です。
定期的な歯科検診を心がけていれば、抜歯や歯肉移植といった大きな治療に至ることは少なくなるでしょう。
歯科衛生士による細かなチェックが受けられるだけでなく、普段の歯磨きでは取れない歯石取りが手軽に行えることもメリットの一つです。
天然の歯と同じように使えるインプラントも、歯茎のケアが欠かせません。
歯磨きやデンタルフロスを使ったケアの習慣で、歯の健康寿命を伸ばすことができます。
毎日のセルフケアと定期的な通院習慣で歯と歯茎の健康を守っていきましょう。